韓国のMnet(エムネット)の人気番組、『PRODUCE48(プロデュース48)』。アイドルオーディション番組『PRODUCE 101』の第3弾にあたる企画として、今回は韓国の練習生に加え、日本のAKBグループが参加。

この番組を通して、「国民プロデューサー」と名づけられた視聴者の投票によるオーディションが行われ、そこで勝ち抜いた練習生が世界的な日韓合同ユニットを作るという試み。2018年6月~8月まで全12回が放送され、大きな関心を集めました。

これまで『PRODUCE48』の企画からは、「I.O.I」(シーズン1)、「WANNA ONE」(シーズン2)が生まれていますが、今回はIZONE(アイズワン)というグループが誕生。日本人メンバー、3人が含まれています。

『PRODUCE48(プロデュース48)』、韓国と日本の実力差はどう見られていた?

『PRODUCE48』で初回から大きなポイントとなっていたのは、日本人練習生(AKBグループ)の実力でした。

韓国のアイドルたちは、「カルグンム(칼군무、キレがよくしっかり合うダンス、群舞)」といい、メンバー同士ぴったり息の合ったダンスをすることが大きな売りのひとつ。しかし振付師のペ・ユンジョン(배윤정)は、日本人練習生たちのダンスの実力を見るや「舞台ではつかえない」と酷評。

しかしAKBグループは「ファンが育てるアイドル」というコンセプトがあるため、特別なトレーニングを積んだわけではありません。歌やダンスの実力よりも愛嬌のほうが重視され、これまで人気を勝ち取ってきたアイドルたちもいます。そういう日本の事情を知るや、「(評価は最低ランクだが)韓国式のトレーニングを受けていないため、実力はわからない」としました。

メンバーたちは合宿生活を行い、レベル別にトレーニングを受けることからスタート。日韓混合のグループバトルや、ポジション評価が行われ、視聴者による投票が行われてきました。第5回の放送で59位以下のメンバーが脱落、第8回には30人にまで絞られました。そして最終回には20人のメンバーが結果発表を待ちます。そして最終メンバーの12人にランクインしたのは?

『PRODUCE48(プロデュース48)』の最終順位と、IZONEのメンバーは?

最終メンバーに選ばれた12人は、2年半という期間限定の活動期間のもと、IZONE(アイズワン、아이즈원)として日韓を行き来しながらデビューしました。その12人のメンバーを見ていきましょう。

放送開始時、K-POPが求めるダンスの実力には不十分、とされた日本人メンバーは多かったのですが、そのなかでも着実に実力を伸ばしていき、見事に選ばれた日本人は3人。そんな日本人メンバーをチェックしていきましょう!

まずは選ばれたIZONEの日本人メンバーからチェック!

2位:宮脇咲良(HKT48)
日本人メンバーのなかでNo.1の座を獲得したのは、宮脇咲良(미야와키 사쿠라、みやわきさくら)でした。彼女は第10回AKB選抜総選挙で第3位。『PRODUCE48』では初回のテーマ曲でセンターの座を獲得し、上位にランクイン。宮脇咲良は「韓国人がなりたい顔」とも評されるなど、韓国人からも終始注目が集まっていました。

そんな彼女自身も韓国に関心が高く、度々韓国を訪れていたといいます。最初から韓国語の歌詞を完璧にマスターし、韓国メイクで別人になったという評判も。最後まで大きな評価を集め、最終的にも見事2位に。

6位:矢吹奈子(HKT48)
矢吹奈子(야부키 나코、やぶきなこ)は当初、最も下位となるFランクの評価を受けていたが、3話のグループバトルでその実力が認められ、一気にAランクへ。放送直後、韓国の大手検索エンジンNAVER検索で1位を獲得しました。

彼女の独特な声と歌唱力、さらにはその容姿から韓国のネットユーザーからは「天使のようだ」という声も上がっているほどです。

9位:本田仁美(AKB48)
本田仁美(혼다 히토미、ほんだひとみ)は巷ではダンスが上手いと評価はされていたのですが、今回の『PRODUCE48』で一気に注目が集まりました。初回の評価はCでしたが、それでも日本人メンバーのなかでは高評価。

2回目ではこの番組のダンストレーナーのペ・ユンジョン(배윤정)が振付を担当していたというKARAの「Mr.」にチャレンジ。ここで際立ったダンスの実力を披露。そこで一気にA評価を獲得しました。

日本ではあまり知名度が高くなかった彼女ですが、この番組の出演を機に大きな飛躍を遂げました。これからの活躍にますます期待がかかります。

当初からの実力は十分?IZONEの韓国人メンバーと最終順位?

〇12位:イ・チェヨン(이채연)
イ・チェヨン(이채연)は、WMエンターテインメントの所属。当初は「K-POPスター3」というオーディション番組に出演もあえなくデビューの夢がかなわず。その後JYPエンターテインメント練習生が出演するオーディション番組SIXTEENに出演したのですがそれも脱落。その後今の事務所に移籍し、今回のPRODUCE48に臨みました。

3度目の挑戦となった彼女ですが、過去に2つの番組に出演していたことからも知名度が高く、初回からダンスでA評価を得るなど実力も十分。そんななか最初の順位は10位。一時は3位まで上り詰めたものの、最後はなんとか12位に入り込むと、涙で国民プロデューサーへの感謝の気持ちを伝えました。このプロジェクトのなかでは天然キャラの一面を見せるなど、その愛らしい性格にも注目が集まりました。

〇11位:キム・ミンジュ(김민주)
キム・ミンジュ(김민주)は、Urbanworks(얼반웍스)所属。過去にはikonのMVに出演したこともあった。番組内のビジュアルセンターランキングで、IZONEデビューメンバーとしては最も高い順位の2位(1位はワン・イーレン)となるなど、その美貌もまた人気の要因になったようです。TWICEのツウィにも似ている、との噂もあります。

10位:キム・チェウォン(김채원)
キム・チェウォンは、Woollimエンターテインメント所属。同じ芸能事務所に所属しているGoldenChildのMVに出演した経験もあります。IZONEデビュー時には18歳という年齢であり、話しぶりも愛らしいですが、優れた歌唱力の持ち主。ポジション評価のボーカル&ラップで総合3位にランクイン。最終的に10位となり、デビューを果たします。

8位:カン・ヘウォン(강혜원)
カン・ヘウォン(강혜원)は、8D Creative(에잇디크리에이티브、エイッディクリエイティブ)の所属。清純派が魅力の彼女、グループバトルでは「プンバヤ(붐바야)」というラップの多い曲に決まったのですがラップができる人がおらず、みずからその役を買って出たのです。そんな姿を見てか、評価は上昇。最後は8位にランクイン。

ちなみに番組のなかでは1歳年下の佐藤美波との友情が生まれ、まるでカップルではないか、というほどの友情をはぐくんだシーンはとても印象的でした。

7位:クォン・ウンビ(권은비)
クォン・ウンビ(권은비)は、Woollimエンターテインメント所属。練習生として期間は5年を超えており、2014年にはYe-A(イェア)いうユニットでデビューした経験もある彼女。事務所の先輩のステージに立ったこともあり、もともと実戦経験は豊富でした。IZONEのなかでは最年長で、95年生まれです。

5位:アン・ユジン(안유진)
アン・ユジン(안유진)は、STARSHIPエンターテインメント所属。同じ事務所に所属する歌手のMVに出演した経験はもちろんのこと、コンタクトレンズのCMに出演したことでも知られていました。彼女の可愛らしい姿には、男女ともにメロメロになってしまいそうなほど。

容姿はさることながらダンスや歌の実力も優れており、初回から2位を獲得するなど有望株に。途中順位を落としましたが最終的には5位にランクインし、デビューを決めました。

4位:チェ・イェナ(최예나)
チェ・イェナ(최예나)は、YUE HUA Entertainment(위에화 엔터테인먼트、ウィエファ)所属。いつも明るく元気で、みんなを楽しませる「ハッピーウィルス」。過去には子ども向けの料理番組に出演していたこともあるだけあって、愛嬌がありパワフルなキャラクターが彼女の魅力。ムードメーカー的存在でもあります。上位をキープしつつも、途中12位以下にランクダウンしてしまいますが、最終的には4位を獲得。

3位:チョ・ユリ(조유리)
3位チョ・ユリはSTONE MUSIC ENTERTEIMENT所属。2017年には「アイドル学校」にも登場。当時から顔が変わっているのでは、という噂もありました。グループバトルでは、メインボーカルを担当。彼女の声量や歌唱力も評価されていました。しかし番組で慰安婦バッジをつけていたことでも物議を醸したことも。終始20位以上はキープしていたものの、露出度もそれほど高くはなく、最後に急浮上。見事3位に輝きました。

1位:チャン・ウォンヨン
チャン・ウォンヨン(장원영、チャンウォニョン)はSTARSHIPエンターテインメント所属。2004年生まれでマンネ(最年少)の彼女だが、身長は168センチでしかも小顔。最も美しいプロポーションとされる8頭身。。

見た目の可愛らしさはもちろん、時にはセクシーに演じるなど、視聴者を虜にしてきました。彼女の名前が台湾式ローマ字で表示されていたため、韓国と台湾のハーフという噂もありますが、現時点では明らかになっていません。当初から上位にランクインしていましたが、最後はトップの座を勝ち取ります

惜しくも選出から漏れてしまった日本人メンバーは?

惜しくも順位から漏れてしまった日本人メンバーは、15位の宮崎美穂、16位の高橋朱里、17位の竹内美宥、18位の下尾みう、20位の白間美瑠でした。宮崎美穂はかねてから韓国語を勉強しており、一時ナンバーワンの座に躍り出るなど、注目を集めました。

高橋朱里は一生懸命、韓国語を話そうとする姿に好感をもたれたこともあり、最後まで残りました。竹内美宥はボーカルのほか、作曲や映像編集もできるなど当初から実力が認められ、上位にいましたが、最終的には17位に。

AKBグループのメンバーでデビューにこぎつけたのは3人だけでしたが、みな最後まで健闘していました。

IZONEのこれからの活動のゆくえ~アルバムデビュー、そして初のライブは?

8月31日の放送でIZONEが結成され、早速動き出しています。これから約2年半のあいだ、日韓を行き来しながら活動が行われます。10月にアルバムが発売される予定で、日本ではAKBグループのマネージメント会社「AKS」、韓国ではストーンミュージックが管理することになっています。

「TWICE」を超えるのではないかとも言われるIZONE(アイズワン)。第3次韓流ブームに乗り、どこまで飛躍するのかに期待がかかります。